序
こんにちは、朽葉考です。
今日は珍しく感想記事。
届いた! 私レベルになると天国のnujabesが豪華特典を付けてくれます(ごめんなさい)
— 朽葉考 (@mmtfc.bsky.social) 2024-10-21T03:48:41.815Z
Tonanせんせーの「雨ざらしのナズナソウ」。色々(本当に色々)あってタイトルを一緒に考えさせていただいたりしたんですけど、私のところにもやってきたので読ませていただきました。
せんせーのかわいい子たちが一冊にまとまってる本。いや、ほんとにもふもふで顔がいいんだよな......。
元々大ファンなんですけどね、今までのイラストと設定が全部入ってる、もう最高じゃないですか。
ところでこれを書くためにBlueskyの投稿を振り返ってるんですけども、最初に見たのが5-6ヶ月前で怖くなってます。え、もうそんなに経ったの......?
閑話休題。
早速、読んだ感想っていうか各キャラの好きなところを語りましょうか。
感想篇
ツユナちゃん
一番幸薄そうな子。困り顔がとてもかわいい。「雨あがり」を「雨ざらし」にしたのはツユナちゃんが傘を持ってる絵が目に留まった時だったりする。
これはめちゃくちゃ感覚的な話なんですけど、雨の中にいるのがとっても似合う子なんですよね。傘を持ってそこに静かに立ってるだけで絵になるタイプ。時々ふと空を見上げてくれるとなお良い。
物憂げで、悩みが多くて、でも芯には強い物をちゃんと持ってる。静の中に動がある。
雨も同じで。静かに降る雨の中にも必ず流れが存在していて、それがいつか海まで流れていく。そういう子だと思ってます。
ナズナちゃん
明るくて色々はちゃめちゃなんだけど、その奥に澱んでいるものを抱えている......
っていう私がとても好きなタイプの子。でも思ったよりお辛い経歴だった。かわいそう。
笑顔が花が咲いてるみたいでとてもかわいい。ふわふわっとした感じ。もふもふ。持ってる小物がどう見てもトラベラーズノートのキャメルなのが推せる。
こういう子って普段の行動ははちゃめちゃなのにご飯を食べるときとかの所作と礼儀作法はしっかりしてそうだよね。あと、姿勢もよさそう。黙ってると絵になるタイプ。
ユウちゃん
一番しっかりしてる子。とりあえずその帽子はどういう構造なのかが非常に気になる。最初はバンダナなのか?と思ってたけどそういうわけでもないらしい。
知り合いにこういうタイプが多くてからかいがいがあって楽しかったのを思い出す。友達に一人絶対にいてほしいタイプの子。裏表がなくて、ニコニコしてて良いにおいがしそう。
喫茶店オーナー。しかも純喫茶オーナーだそう。表紙の背景にも映ってるけど、こういうお店っていいよね。
高校生の時に執筆に詰まって通ってた喫茶店を思い出す。通りの角の、キームンがとっても美味しい店でした。オーナーさんにとてもよくしてもらって、紅茶の淹れ方とか選び方を色々教わって。きっとそういう、優しい雰囲気なお店なのでしょう。
あと、ナズナちゃんのコメントがこわい。きみ、そういう一面もあるんだね......。
ナギセ
人を振り回すのは大好き、多分振り回されるのも好き。人の前では笑ってるけど、案外一人になると月に手を伸ばしたり、特に意味もなくペンを回したりしてる。
とりあえずこっちに合わせてくれるけど、ぶっちゃけ話はそんなに聞いてなくて、自分の経験から話せそうなことがあったらそこから話を上手いこと広げていきそう。
ほんとに何してんのかわかんないけど、多分本人に聞いてもはぐらかされるし、なんなら本人も心の中で「何してんだろ~ね~」とか思ってる。趣味のことには人一倍敏感で、パーソナルな領域に踏み込まれたら無言で眉をひそめてそう。
そんな、謎の既視感と共感を覚えるのが私から見たナギ先輩。
多分、空が青いのと同じくらい自然に生きてるんでしょうね。自然すぎるから人に溶け込みやすいけど、ほんとの意味では人と仲良くはなってない、なんて思ったりして少し自己嫌悪して、でも煙草吸って空を見たらそんなことも忘れて。また笑顔になってどっかに歩いていくんでしょう。
色々まとめて
それぞれのキャラにイメソンがあって、それがいい。どこかノスタルジックで、この子たちの生活感というか、やわらかくて暖かい雰囲気をより強めてるように思えて大好きです。
喫茶店でレコードに針が落とされて、紅茶がゆっくりと注がれていくようにどこまでも引き延ばされた時間と空間の中に、私はこの世界を幻視するんです。これからもこの世界は広がっていくんでしょうけど、それが心から楽しみに思えます。
タイトルの話
今回、僭越ながらタイトルを付けました!と言わせていただいたんですが、少し裏話をば。
Xでスペース開いてTonanさんと喋ってたら「タイトル付けよーぜ!!」って話になって、最初にせんせーが出した仮題が「雨上がりのナズナソウ」でした。
ぶっちゃけこれ見たときに「いや完成度高いしこれでよくね?」と内心思ったりもしたんですけど、自分なりに色々考えてみたんですよ。”「~~の~~」で、頭を漢字、後ろをカタカナで”っていう条件に沿いつつ、作品の世界観に合ったものにしたい。
色々案を出しつつ考えたんだけど、結局私の中では後ろの「ナズナソウ」は出来がよすぎて変えようもないな~~って改めて思ったんですよ。「ナズナ荘」みたいな掛け方もできて面白いよなぁとか考えさせられたりして。せんせーのイラストを見ながら色々頭を捻ってたんです。
で、目に留まったのが上でも触れた、傘を持ったツユナちゃん。なんというか、雨上がりってより雨の中にいる姿が似合うように思ったんですよね。雨あがりに笑うよりも、雨の中でふと笑顔を見せそうで。
そこで「雨ざらし」ってフレーズが出てきました。二人で「これでよくね?」ってなって、最終的にせんせーがそれで決めたんですけど。手に取った、読んだほかの人はどう思ってるかな。
雨の街角にツユナちゃんを幻視したあなたは、多分タイトルを作ったときの私と同じ風景を見ています。それ以外の人は、あなたの見たこの子たちの風景を教えてください。きっと、また違う言葉が私から湧き出てくると思います。
最後に、Tonanせんせーへ。1ファンとしてタイトルという大切な要素に関われて大変光栄でした!!これからも「雨ざらしのナズナソウ」の世界が美しく広がっていくことを願い、そして祝福したいと思います。本当に、ありがとうございました!!
おまけ/二次創作歌
読んでたらこの子たちの短歌が書きたくなってきて、つらつらと書いちゃいました。蛇足、というかもろ二次創作なんで読み飛ばしていただいて大丈夫です。
雨霧のけぶりゆくままこの街に仄かに香る君知らぬ花
「薄氷の下 清流の音」
鳥啼いて流るる水に葉の踊る波紋に揺れる紫陽花の影
伏す野辺に勿忘草のしずしずと。君の密かに落とす雫を。
雨だれの傘叩いては幾度も振り返っては暮れ迫る道
紫陽花の咲くよりも高く夏の雲頬拭うように白くたなびく
「めいっぱい手をあげて雲を掬う」
かくぞあれかくぞあれとの道ゆきに種は弾けて君の花咲く
あの影が私のことを追わぬよう陽の照る方へ両手をのばす
朝風にさざみゆく野のナズナソウ千々の花園包まれ眠る
「朱染まる空、人に染まらず」
夢の中酒を飲めども夢の底干して乾かぬ憂い漂う
ゆらゆらと立つ煙追うその先に入道雲の朱に輝く
働きの身に窓の朝日を憂いては洗いざらしのシャツを取りゆく
夕風に桜並木の萌えゆきて流るる雲とこの街の日々
風澄みて静かに暮れるこの街に今もただ咲く君知らぬ花